交渉シナリオを考えるのは難しいか


ちょっとしたトラブル
プロジェクトでちょっとしたトラブルがあって、プロジェクトチームとしてそれなりのアクションを取る必要があるのではないか、と投げかけたら、作戦会議をすることになったので、のこのこ出て行った。トラブルとは、当たり障り無く書くと「システム開発のプロジェクトで採用したソフトウェアに問題があって供給元をコントロールする必要がある状況になっている。」という、ちょっとというか、持って行き様によっては深刻になりかねないトラブルだ。


誰が主体者か
関係者の外側に陣取って、作戦会議が始まるのを待っていたら中々はじまらない。

「(プロジェクトマネージャさんどこに座っているのかな?)」
「(プロマネが、なんでそんな隅に座っているの!)」
「○○さん、そんなところに座っていないで前に座ったら?」
「あーはい。」
「...」
「じゃあ、このトラブルどうすすめるのか話して。」
「あーだ、こーだ」
「(もっと時系列に話さないかい!)」
「まず、ファクトベースで整理して話して。」

トラブルの内容や大小に関わらず、事象に対して何かアクションすることを検討するとき、まずはじめに押さえることは“事実”だ。実際に起きてきることをそのトラブルの特性に応じて、“いつ”、“どこで”、“誰が”“何をした”ときに起きたのかを押さえることがポイントだ。よく言う、5W1Hとか、その類の話である。
まず、事実を時系列で押さえる。そこからはじめる。
事実で話すことで、そのトラブルに関わる内外の関係者と共通の認識を持つスタート点が作れるメリットがある。それが作れなければ、そこの構築からになってしまう。

トラブルの関係者は、自分が所属する組織とは限らない。パッケージを採用しているならパッケージベンダ、契約パートナーがいるならパートナー、自組織の関連部署ならその部署、又は顧客というように登場人物の整理も事実の確認の時には必要になる。
その上で、現状押さえた事実と持って行きたい方向性を確認し、そのトラブルの関係者にどう動いてもらえばよいのか整理していく。
“どう動いてもらうか”は、あくまでも“こちら”の希望的予測であって、相手方のwillではないからそうならないケースも仮説を立てる必要がある。そういったように仮説を組み上げて交渉シナリオを作り、検討した関係者はこの考え方に基づいて行動することになる。

ところで、このような交渉術やシナリオ作りは、社会人なら経験から自然と身につけるか、意識して学ぶのどちらかだろう。自分の場合は随分前に自己研鑽として書籍から学び、実際に意識して使い、経験値を積んできたのだが、他の人はどうやって経験を積んでいるのだろうか。
何故疑問に思ったかというと、作戦会議に出てきた関係者全員がその作戦会議をファシリテートできず、会議が始まらなかったから、そう疑問を感じた。例え、トラブルに必要な交渉術のファシリテーションが無くても、その作戦会議に出てきたメンバの経験を思えばその会議ぐらい進行するスキルは持ち合わせていたのに。
そこには、なんらか決定的なコトが抜けていたのかもしれない。


何を学んで欲しいのか
人は、常にそのとき初めて経験することに必要なコンピテンシを持ち合わせてた上で、経験できるわけではない。どちらかと言えば、持ち合わせていないときに経験して、汗を掻き、恥ずかしい思いをするものだ。例え、何らか知識として知っていたとしても、実体験するばでそれを思い出し、実際に使えるということは事の外難しいものだ。だからと言って、いつも経験者がその場に居るとは限らないし、立場的に仕切れるわけでもない。その場の当事者が自分が当事者として意識して、その場で持ち合わせたコンピテンシで捌くしか他無いのだ。当事者としてその場を捌く腹積もりが出来ていれば、例え必要なコンピテンシを持ち合わせていなくても、例え失敗したとしても当事者の責務をよりどころにその失敗から何かを学ぶことが出来るだろうと思っている。



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毎晩少しづつ読んでる。

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

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