量産型エンジニアを製造する研修制度の方が問題ではある
WebサービスやSaaSを提供しているベンチャーや新興企業は中途採用でエンジニアを採る。それはサービスを拡充したり、使い勝手を向上することでサービスを買ってもらい、生き残りたいからだ。
であるから、即戦力のエンジニアが必要になる。悠長に、新卒のエンジニアなんて採用して育つのを待つ時間なんてない。そんなことをやっていたら、サービスが売れる前に資金がショートしてビジネスが死んでしまう。
だから中途採用で人を採る。
SIerも人手不足で中途採用を採っているが、人材のパイプラインは中堅から大手なら新卒採用はメインストリームだ。数十人単位で採用して新人研修、配属先研修と称して、先行コストをかけて育成する。
中堅や大手としているのは、そのくらいの規模がなければ、組織としての体力がないから数ヶ月もコストとして抱えていられない。規模が小さければごく短期か実質いきなりOJTで新人研修になりかねない。
全部が全部ではないが、こうしたSIerから、SIerよりベンチャーや新興企業に魅力を感じて人材が流出する。
さて、中途採用するエンジニアの教育コストは誰が支払ったのか。
少し話を戻して、旧来の集合研修をしているとナウでイケてるエンジニアは育ちにくい。言い換えれば、SIerの新人の集合研修はスピード感も手法も何となくやっているからよろしくない。
半日くらいのバックログやらスプリントやらふりかえりやらを詰め込んで、数週間回して、などとやらないと今風の高速でリリースするエンジニアの基礎は擦りこめない。
前者のSIerの新人教育は、エンジニアリングである。型にはめてエンジニアを紋切り型に製造する。だから、毎年、研修内容のフレームワークは(言語や開発手法は流石に今風になったとしても)ほぼ同じなのである。
そうすると何となく、見様見真似だったり、チーム分けしたときのリーダ的な同期に寄生して生き延びれてしまう。
後者はそれができない。すぐ結果を求められるからだ。エンジニアを育成するという観点ではよくできている『ふるい』である。
SIerはイケてるエンジニアを確保したいなら、もう少し研修の責任者を適切に配置した方が良いだろうし、研修講座も刷新した方が良いだろう。
Web系やSaaSなどのサービサーはフリーライドしているのだから、そこはもっと高く買うべきなのではないか。
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