走りながら成果を出す

組織の中で、事業を自分で立ち上げたとか、準備室的なところに組織として名前がついていて、そこに入った感じでなければ、大概のマネージャは前任者を引き継いで、マネージャになる。あとは、プロジェクト=組織で、新規にプロジェクトが立ち上がったときのケースもある。でも圧倒的に後任としてマネージャになる方が多い。

例えば、SIerで後任のマネージャになると、いきなりメンバを抱えてビジネスも回すことをしなければならない。

後任のマネージャとして、担当するビジネスを理解しなければならないし、定常業務もこなさなければならない。慣れるまでや理解するまでの間、待って欲しいということを言いたくなるが、引き継いでいるのだから、ビジネスは動いているし、処理しなければならならい決済は日々積み上がっていくので待ってはもらえない。

とはいえ、自分のリソースも1しかない。

そうしたリソース上の制約があるにも関わらず、スケジュールはマネージャの会議や相談や営業や顧客の打ち合わせで埋まっていく。

ビジネスが順調であれば、キャッチアップにリソースを割いてやっていくこともできるが、マネージャが変わるときは、ビジネス上の課題の対応で組織をいじっているからそんな都合よくは行かないし、マネージャでしかわからない情報が入ってくると、担当のビジネスのあちらこちらに前任者は気づいていないふりをしているか、気づいていないのかはわからないが、ビジネス上のリスクが多々あることに愕然とする。

そうしたリスクを片付けるまで、色々と待っていて欲しいと言いたいところだが、やはり、待ってはもらえない。

ビジネスのタイプがストックでない、つまり、組織を維持するために常に新規案件を一定の割合で取らなければならないビジネス構造の場合、マネージャの準備ができるまで待っていて欲しいとも言えない。

そんなことをしたら、組織のキャッシュがあっという間に悪化してお取り潰しになってしまい、メンバは散りじりになってしまう。組織を維持する、いや拡大することがロールであるのだから、これは拙い。

だから、SIerであれば、一定の、いや、ビジネスとしてマネージャとしての案件を確保しなければならないし、事業会社であれば予算の執行で遊離差異がひどくならないようにしなければならない。

よく、走りながら技術を習得する的なことをいうときもあるが、ビジネスでも、業務を回しながら、学習しなければならない状況になる。

マネージャが走りながら考えろ、的な物言いをするのは、マネージャ自身が走りながらビジネスで成果を出すことを求められているからかもしれない。